いよいよ新テキストが7月5日頃発売ということですね。今年は、第4巻(法令関係をまとめた分厚い本)がCD-ROMになるということで、コンパクトになりお値段も安くなるということです(6300円)。新しいサービスや地域包括ケアなどからどのくらい問題がでるでしょうか。
私は、低所得者対策は必ず出題されると思っています。
そこで、平成22年度の低所得者対策の問題(難問だった)を載せますので、振り返って見ましょう。
平成22年度の問題7
問題 7 介護保険の利用者負担に係る低所得者対策について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 高額介護サービス費は、所得段階別に負担上限額が設定されており、低所得者の負担軽減が図られている。
2 市町村民税本人非課税者は、特定入所者介護サービス費の支給対象とならない。
3 短期入所療養介護は、特定入所者介護サービス費の対象となる。
4 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度の軽減対象は、介護費の1割分の利用者負担並びに食費、居住費(滞在費)及び宿泊費である。
5 社会福祉法人等による利用者負担軽減制度の対象となるサービスには、訪問看護も含まれる。
【解説】 解答は1・3・4である。これは難問であった。5の社会福祉法人減免の対象サービスは福祉系サービスであるので×であるが、残りの4つのどれもが正しいと思える。2について基本テキストでは「この給付(特定入所者介護サービス費)の対象となる低所得者(特定入所者)は、支給対象サービスを利用した生活保護受給者等と市町村民税世帯非課税者であり(1巻103p)」と記載しているから迷うところである。しかし、テキスト109pには「本人または世帯員が市町村民税を課税されている所得階層(第4段階)でも、高齢者夫婦世帯の一方が施設に入所して食費・居住費を負担した結果、残された配偶者の生計が困難になるような場合には、第3段階とみなして特定入所者介護サービス費等を支給します」と記載されている。つまり例外規定も考えて答えなさい、ということであった。しかし、例外規定まで考えて正解を導くのは厳しいと感じた。
この規定は、ホテルコストを導入するときの理屈として、どこにいても食費と居住費は自分で負担するのが当たり前だから施設に入所してもその費用を保険で持つべきでないという主張があったが、それに対して、夫婦世帯の場合は入所者がホテルコストを、入所していない一方が家賃を払うという状況になるので大変、という主張があった。この例外規定はそれに対する緩和措置として設けられたといういきさつがある。
低所得者対策は、①保険料負担の減額、②利用料負担の減額があり、所得別の段階を設けて適用する。つまり、利用者1割負担や保険料は、所得段階で違う負担となっている。
■第1段階 ①市町村民税世帯非課税である老齢福祉年金受給者、②生活保護受給者、③境界層該当者(より負担の低い基準を適用すれば生活保護が必要でなくなる人)
■第2段階 市町村民税世帯非課税で、①所得と年金の合計額が年額80万円以下、②境界層該当者
■第3段階 市町村民税世帯非課税で、①利用者負担第2段階に該当しない人、②境界層該当者、③市町村民税課税世帯の特例減額措置が適用される人
■第4段階 第1・第2・第3段階のいずれにも該当しない人
(市町村民税本人非課税、本人課税等)
※保険料負担については、高額所得者の負担増もあり、第5段階、第6段階などがある(保険者である市町村が細かく設定できる)。