2014年度介護支援専門員受験対策(5) 8月27日
私が所属するNPO法人シーズネットでは、受験対策講座を次のとおり行います。
講師は、私が務めます。申込・問い合わせは011-717-6007(NPO法人シーズネット)、メール
kakinuma@seedsnet.gr.jpへ。
●旭川会場 (NPO法人シーズネット主催)
日 時:9月14日(日)9:30~17:00 (9:10受付開始)
場 所:大雪クリスタルホール(神楽3条7丁目)第3会議室
受講料:7,000円(テキスト代別1,000円)
●札幌会場 (直前対策・問題中心)・(NPO法人シーズネット主催)
日 時:10月13日(月・祝日)9:30~17:00 (9:10受付開始)
場 所:北農健保会館(北4西7)2F・会議室エルム
受講料:7,000円(テキスト代別1,000円)
※いずれも申込は、このホームページのチラシを見て下さい
●函館会場(北海道介護支援専門員協会主催)
日 時:9月15日(月・祝日)9:20~16:30 (9:00受付開始)
場 所:函館市勤労者総合福祉センター(サン・リフレ函館)
函館市大森町2番14号 JR 函館駅より徒歩15 分
受講料:8,000円(テキスト代込み)
さて、要介護認定です。要介護認定は、いつも3題くらい出題され、しかも過去問と同じような問題がよくでるので、まずは、テキストを読んで、過去問にチャレンジして理解を深めてください。余り難しい問題が出ないので、得点を稼ぎやすいところです。
このHPのブログは、図式をうまく取り込めないのが難点で、そのうち改善しようと思ってますが・・・ということで文章だらけになってしまいます。
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【要介護認定および要支援認定】 1)保険給付までのプロセス
要介護認定・要支援認定の申請→市町村が調査(基本調査と特記事項)→市町村が主治医に意見書作成を依頼→調査結果を元にコンピュータソフトで一次判定→①一次判定と②意見書、③特記事項を元に二次判定(認定審査会)→決定→市町村長による認定
2)要介護認定および要支援認定の概要
・認定申請があった場合、市町村は、全国一律の客観的基準(要介護認定基準)に基づき、認定を実施。
・要介護1相当については、改善可能性の高い人を「要支援2」に、その可能性が低い人(心身の状態が不安定な人、認知機能が低下している人を「要介護1」に区分する。
3)要介護状態と要支援状態
〇要介護状態⇒入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6ヶ月以上にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態。
〇要支援状態
「入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について、6ヶ月以上にわたり継続して、常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があるために6ヶ月以上にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態」。
4)要介護者と要支援者
【要介護認定等の手続】
1)認定申請
・被保険者による申請は、被保険者証を添えて市町村へ。第2号被保険者で保険証の交付を受けていない者は、医療保険の被保険者証を提示して申請する。
・申請代行⇒①居宅介護支援事業所・地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設のうち厚生省令で定めるもの、②地域包括支援センター、③家族、④社会保険労務士、⑤成年後見人、⑥民生委員等が申請代行できる。
・申請前のサービス利用⇒緊急やむを得ない理由で申請前にサービスを利用した場合でも、市町村が必要と認めたときは保険給付の対象となる。=特例サービス費
2)認定調査
①市町村による調査 市町村は職員(福祉事務所のケースワーカーや保健センターの保健師等)を派遣して認定に必要な調査(訪問調査)を行う。 認定調査は、全国統一の調査票(心身の状況に関連する一般調査項目、特別な医療についての調査項目、日常生活自立度や特記事項記入欄で構成)を用いて行う。
この調査項目をコンピュータに入力し、国が開発したソフトによって一次判定が出され、二次判定の資料となる。
②調査の委託
ⅰ)新規認定の場合⇒市町村による調査実施の原則を徹底する。遠隔地に居住する被保険者からの申請にかかる調査については、その被保険者の居住市町村に調査を嘱託できる。
ⅱ)更新認定の場合⇒指定居宅介護支援事業所・地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設・地域包括支援センターまたは介護支援専門員のうち厚生省令で定めるものに調査を委託できる。その場合、受託者は、刑法上の罰則の適用に関しては公務員とみなされ守秘義務がある。
ⅲ)「指定市町村事務受託法人」に対しては、市町村は新規認定も含め認定調査を委託できる。また、介護サービス担当者等に対する文書等の物件の提出の求めなどの事務も委託できる。
③主治の医師の意見
市町村は同時期に主治医に意見書の提出を求める。主治医がいない場合は市町村の指定する医師の診断を受け、意見書を作成してもらう。意見書の書式も全国共通である。
④調査の拒否
被保険者が認定調査に応じない場合や、市町村の指定医の診断に応じない場合は、市町村は、申請を却下することができる。
3)介護認定審査会による審査・判定 ①審査および判定
介護認定審査会は、国が作成した全国一律の客観的な判定基準に従って審査・判定を行う。必要であれば、被保険者、家族、主治医等の関係者から意見を聞くことができる。
審査会は、市町村に対し附帯意見を述べることができる。
<附帯意見>
ⅰ)要介護状態の軽減、悪化の防止のために必要な療養に関する事項
市町村はその意見に基づきサービスの種類の指定を行うことができる⇒このサービスの種類の指定が行われたときは、それ以外のサービス利用が保険給付されない。
ⅱ)サービスの適切かつ有効な利用等に関し被保険者が留意すべき事項
利用者本人が当該記載に留意してサービス提供を受けることが求められる他、サービス提供を行う事業者・施設についても、当該意見に配慮してサービス提供を行うよう努めることとなっている。
4)市町村による認定等の決定
①認定の決定⇒被保険者証に要介護状態区分等を記載し、被保険者に通知。
②認定の遡及効
・ 要介護認定・要支援認定の効力は、申請時に遡るので、申請時点からサービス利用しても保険給付の対象となる(もちろん、「非該当」でない場合)。この場合、規定上は「償還払い」となるが、暫定ケアプランを作成することにより「現物給付」の形で受けることができる。
③不認定の決定⇒非該当の場合、市町村は理由を付して通知し、被保険者証を返還する。
④申請処理期間とその延期⇒申請を受けた市町村は30日以内に認定を行う(理由を付した文書により遅滞することは可能)。
5)認定有効期間
〇新規申請及び区分変更申請は原則6ヶ月だが、3~12ヶ月の短縮・延長可。
〇更新申請①要介護だったものが要介護となった場合は原則12ヶ月だが、3~24ヶ月の短縮・延長可。
〇更新申請②要支援だったものが要支援となった場合は原則12ヶ月だが、3~11ヶ月の短縮可。
〇更新申請③要支援だったものが要介護、あるいは要介護だったものが要支援となった場合は原則6ヶ月だが、3~12ヶ月の短縮・延長可。
なお、端数期間(月途中の申請日から当該月末までの期間)は認定有効期間に加える。
6)更新認定等
①更新認定⇒有効期間満了日の60日前から満了の日までの間に、更新認定の申請を行うことができる。
②要介護状態区分の変更の認定⇒有効期間満了前でも、要介護状態の程度が大きく変化した場合は、区分変更の認定申請をすることができる。
③職権による要介護状態区分の変更⇒市町村長は、職権で区分変更ができる。
④認定の取り消し⇒市町村は認定の取り消しもできる。
7)住所移転時の認定
・要介護者等が住所を移転する場合、新しい市町村において改めて認定を受ける必要があるが、その場合改めて審査及び判定を行うことなく、移転前の市町村の認定を証明する書類で認定できる。
【介護認定審査会】
・認定審査会は、保健・医療・福祉に関する学識経験者によって構成される。
・委員は市町村長が任命し、任期は2年で、再任できる。委員には守秘義務が課せられる。
・ 認定審査会の委員の定数は政令で定める基準に従い、市町村の条例により定められる。
・ 件数が多い市町村等では合議体を置くことができる。①更新認定の場合、②委員確保が難しい場合は最低3人でも可。
委員会は構成する委員の過半数が出席しなければ審議開催、議決ができない。議事は出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、長の決するところによる。
【要介護認定基準】
・認定基準省令による全国一律の客観的な基準に基づき実施される。
・介助等にかかる5つの分野(直接生活介助、間接生活介助、認知症の行動・心理症状関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為)に区分された行為についての要介護認定等基準時間により判定される。
【認定調査】
・調査票は厚労省の告示により定められ、「基本調査」と「特記事項」の部分に分かれている。基本調査項目は、大きく7の中間評価項目に分かれている。
①身体機能・起居動作に関連する項目、②生活機能に関連する項目、③認知機能に関連する項目、④精神・行動障害に関連する項目、⑤社会生活への適応に関連する項目、⑥特別な医療に関連する項目、⑦日常生活自立度に関連する項目
【主治医意見書】
・全国一律の様式で、基本情報の他に、①傷病に関する意見、②特別な医療、③心身の状態に関する意見、④生活機能とサービスに関する意見、⑤その他特記事項を記載する。
・第2号被保険者の認定では、特定疾病に起因する障害であるかを確認する材料となる。
【一次判定の仕組み】
・要介護認定等基準時間は当該被保険者に対して行われる5分野の行為に要する1日あたりの時間としての推計である。
・要介護認定等基準時間は、実際に家庭等で行われる介護時間そのものではなく、あくまでも介護の必要性を判断するための尺度として一定の方法により推計された客観的な基準である。
・算定は1分間タイムスタディデータを組み合わせた樹形モデルを用いたソフトで行われる。
13問題14 要介護認定の認定調査について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 市町村は、その職員である福祉事務所のケースワーカーに認定調査を行わせることができる。
2 市町村は、その職員である市町村保健センターの保健師に認定調査を行わせることができる。
3 市町村は、介護支援専門員に更新認定の調査を委託できない。
4 市町村は、指定居宅介護支援事業者に更新認定の調査を委託できない。
5 市町村は、地域包括支援センターに更新認定の調査を委託できる。
13問題15 要介護認定の申請手続について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 指定居宅介護支援事業者は、代行できる。
2 指定訪問介護事業者は、代行できる。
3 地域密着型介護老人福祉施設は、代行できない。
4 介護保険施設は、代行できない。
5 地域包括支援センターは、代行できる。
13問題16 介護認定審査会について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 市町村の附属機関である。
2 委員の定数は、被保険者数に応じて都道府県が定める。
3 委員は、市町村長が任命する。
4 その合議体の長は、市町村長が指名する。
5 その合議体の委員定数は、都道府県が条例で定める。
13問題14:1・2・5 / 13問題15:1・5 / 13問題16:1・3
12年度問題13 要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 要介護状態とは、基本的な日常生活動作について介護を要する状態が3月以上継続すると見込まれる場合をいう。
2 介護保険の被保険者証が未交付の第2号被保険者は、医療保険の被保険者証等を提示して申請する。
3 要介護認定の効力は申請のあった日に遡って生ずる。
4 認定又は非該当の決定等は、申請日から60日以内に行わなければならない。
5 有効期間満了前でも、要介護状態区分の変更の認定の申請を行うことができる。
12年度問題14 要介護認定の手続について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 指定居宅介護支援事業者は、申請を代行できない。
2 被保険者に主治の医師がないときは、市町村が指定する医師又は市町村の職員である医師の診断を受けることができる。
3 認定調査の結果及び主治の医師の意見書は、介護認定審査会に通知される。
4 介護認定審査会は、審査・判定を行った結果を申請者に通知する。
5 認定に不服がある場合には、介護保険審査会が審査及び要介護認定を行う。
12年度問題15 要介護認定の仕組みについて正しいものはどれか。2つ選べ。
1 判定は、市町村が定める客観的基準に基づき行われる。
2 被保険者が住所を移転した場合には、14日以内に判定をし直す。
3 職権による要介護状態区分の変更認定に必要な主治医意見書のための診断命令に被保険者が正当な理由なく従わないときは、認定を取り消すことができる。
4 介護保険審査会は、市町村に設置される。
5 介護認定審査会は、市町村に設置される。
12問題13:2・3・5 / 12問題14:2・3 / 12問題15:3・5
11年度問題15 要介護認定の認定調査について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 特定施設入居者生活介護を行う有料老人ホームは、受託できる。
2 遠隔地に居住する被保険者の申請に係る調査は、その被保険者の住む市町村に調査を嘱託できる。
3 地域包括支援センターは、更新認定に係る調査を受託できる。
4 2005年の改正により、指定居宅介護支援事業者は、更新認定に係る調査を受託できないこととな
った。
5 要介護者は、被保険者資格を取得した日から14日以内に申請をしたときは、住所を移転しても改
めて調査を受ける必要がない。
11年度問題16 要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 申請書には、被保険者証とともに主治医の意見書も添付する。
2 介護認定審査会の委員には、医師を任命しなければならない。
3 介護認定審査会の委員は、市町村長が任期付きで任命するが、再任することもできる。
4 地域包括支援センターは、申請手続きを代行することができる。
5 市町村は、職権により、有効期間満了前でも要介護状態区分の変更認定ができる。
11問題15:2・3・5 / 11問題16:3・4・5