2013年度介護支援専門員受験対策(8) 8月24日
しばらく更新しないで申し訳ありません。
今回は、保険給付です。
【保険給付通則】
・介護保険に優先する給付を行う法令は、労災・公務災害・戦傷病者特別援護法の療養給付・原爆被爆者援護法の医療給付等で、要するに他者責任があるもの。
・他は介護保険が優先。特別養護老人ホーム、訪問介護、通所介護等については、介護保険による利用者と施設・事業者との契約に基づくサービス提供。やむをえない事由で介護保険からのサービスを受けられない場合、例外的に老人福祉法に基づく市町村の措置によるサービス提供が行われる。虐待などの場合。
・医療保険から行われていたサービスのうち介護保制度の給付に移行したものは、①指定介護療養型医療施設の病床におけるサービス、②老人保健施設におけるサービス、③訪問看護等の在宅医療サービスの一部で、要介護者等に対するもの。
・生活保護法の場合は、被保険者(65歳以上)は介護保険が優先。被保険者でない被保護者の場合は、10割の介護扶助で介護サービスを扶助。その場合、生活保護制度で「介護扶助のための要介護認定」を別に行う必要があるが、介護保険の認定審査会に委託する。
・障害者総合支援法で、障害者に対する介護サービス(介護給付費の支給)と医療サービス(自立支援医療費の支給)が給付されるが、介護保険による給付と重複する場合には介護保険が優先。
・第三者の起こした事故による要介護状態については、保険給付の責を免れる。損害賠償以前に保険給付した時は、第三者に請求する権利を有する。国保連に事務を委託。
・不正受給の場合、返還義務あり。意見書を書いた医師の場合徴収金、サービス体の場合は返還額+4割を請求できる。
・市町村は必要に応じ、受給者、事業者などに対し、文書等の提出要求、職員による質問等を行うことができる。文書等の提出要求等の事務を指定市町村事務受託法人に委託できる。
・厚生労働大臣、都道府県知事は必要に応じ、介護サービスの担当者やその使用者に対し、文書等の提出命令や職員による質問等を行うことができる。
10年度問題6 介護保険の保険給付について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 労働者災害補償保険法により介護保険の介護給付に相当する給付を受けられるときは、一定の限度で介護保険の給付は行われない。
2 市町村特別給付の財源は、その市町村の第1号被保険者の保険料によって賄われる。
3 特例居宅介護サービス費は、都道府県が必要があると認めたときに支給される。
4 事業者が偽りその他不正の行為により代理受領方式での費用の支払を受けた場合には、市町村は、返還させるべき額を徴収するほか、その額に百分の四十を乗じた額を徴収することができる。
5 被保険者が居宅介護サービス費を受給するためには、居宅介護支援事業所に居宅サービス計画の作成を依頼しなければならない。
09年度問題5 介護保険の給付に優先するものとして正しいものはどれか。3つ選べ。
1 労働災害補償保険法
2 健康保険法
3 戦傷病者特別援護法
4 生活保護法
5 地方公務員災害補償法
10年度問題6:1・2・4 / 09年度問題5:1・3・5
【保険給付の種類】
・保険給付には、①介護給付と②予防給付、③市町村給付があります。③の市町村給付は、財源が1号保険料で運営されます。
介護給付と予防給付はさらに、市町村が指定・指導監督する地域密着型サービス(基本的にその市町村の住民でないと利用できない)と、都道府県が指定・指導監督するサービスに分かれます。今年度の新しいサービスとして始まった「定期巡回・随時対応訪問介護看護」や「複合型サービス」はいずれも地域密着型サービスです。
また、要支援が利用できないサービス(施設サービスなど)、要支援や要介護1が利用できないサービス(福祉用具貸与の車いすや特殊寝台など)、要支援1だけ利用できないサービス(介護予防認知症対応型共同生活介護)など、要介護度に応じて利用できるサービスがあります。介護予防特定施設入居者生活介護は地域密着型サービスにはありません。
・特例サービス費の要件は、いずれも市町村が必要があると認めることが前提で、①認定申請前に緊急サービスを受けた場合、②基準該当サービスを受けた場合(居宅サービス・居宅介護支援等)、③離島などで相当サービスを受けた場合(居宅サービス・地域密着型サービス・居宅介護支援等)、④緊急その他やむを得ない理由により、被保険者証を提示しないでサービスを受けた場合や、認定申請日前に基準該当サービスや相当サービスを受けたときなど。
・市町村特別給付は、介護給付にはないサービスとして、移送サービス、給食配達サービス、寝具乾燥サービス等、おむつ購入費の支給などと、上乗せサービスとして、在宅サービスについて独自の高い給付水準を設けることができる。例えば、住宅改修の支給限度基準額を30万円にするなど。
【介護報酬】
・介護報酬の額は、厚生労働大臣の告示により定める。
・算定基準は、それぞれのサービスの種類ごとに①サービスの内容、②要介護・要支援状態区分、③事業所・施設の所在地域(人件費・物件費等の違いなど)等、をもとに算定される当該サービスの平均的費用額を勘案して定める。設定にあたっては社会保障審議会の意見を聴かなければならない。
・2011(H23)年改正により、地域密着型サービスと地域密着型介護予防サービスについては市町村が独自の額を定めることが認められている。
・介護報酬の額は、サービスの価格の上限であって、実際のサービス価格がこれよりも低かった場合にはその実際の値段が支払われる。
09年度問題6 介護保険給付について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 所得額にかかわらず一定の自己負担上限額を設け、高額介護サービス費を支給する。
2 指定介護老人福祉施設に入所する低所得の要介護者の食費・居住費の負担については、所得段階に応じた負担限度額が設けられている。
3 刑事施設、労役場等に拘禁された者については、その期間に係る介護給付等は行わない。
4 市町村は、介護給付費の算定に関する基準を定めようとするときは、議会の承認を得なければならない。
5 居宅サービス計画費の支給は、被保険者があらかじめ居宅介護支援を受ける旨を市町村に届け出なくても、現物給付化される。
08年度問題6 保険給付について正しいのはどれか。2つ選べ。
1 地域密着型介護予防サービスの種類には、介護予防特定施設入居者生活介護が含まれる。
2 市町村特別給付は介護認定審査会の意見により、市町村が独自に定める。
3 特例居宅介護サービス費の支給は、償還払いである。
4 居宅療養管理指導は、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されない。
5 居宅介護福祉用具購入費の支給は、現物給付化されている。
07年度問題5 次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 居宅サービス事業者の指定は市町村長が行い、施設サービス事業者の指定は都道府県知事が行う。
2 市町村は、条例で被保険者の範囲および介護認定審査会の定数を定める。
3 介護給付を受けようとする被保険者は、市町村の要介護認定を受けなければならない。
4 居宅介護サービス計画費は全額保険から給付されるため、利用者負担が生じることはない。
5 市町村は、第1号被保険者が転入してきた場合、自動的に住所地特例を適用する。
09年度問題6:2・3 / 08年度問題6:3・4 /07年度問題5:3・4
07年度問題6 次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。
1 特定福祉用具販売とは、居宅要介護者に対して、福祉用具のうち入浴、排泄等のための一定の用具
を販売することをいう。
2 地域密着型特定施設入居者生活介護とは、入居定員が29名以下の介護専用型特定施設に入居している要介護者が受ける入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練及び療養上の世話をいう。
3 小規模多機能型居宅介護とは、専ら認知症の居宅要介護者が、共同生活を営む住居で受ける入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練をいう。
4 居宅介護住宅改修費の給付対象は、豪雪地帯など地域特性があるため、都道府県知事が定める。
5 市町村特別給付とは、要介護者又は要支援者に対し、市町村が条例で独自に定める給付をいう。
07年度問題57(福祉分野) 介護保険と生活保護の関係について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 生活保護を受給する被保険者が通所介護サービスを利用した時の昼食代は、介護扶助から支給される。
2 生活保護を受給する被保険者には、介護保険施設の入退所に係る移送費が、介護扶助から支給される場合がある。
3 介護保険施設に入所している生活保護受給者には、生活扶助として、介護施設入所者基本生活費が支給される。
4 生活保護を受給する被保険者が居宅サービス計画の作成を依頼する場合には、その費用は介護扶助から支給される。
5 介護扶助には、介護予防に関する給付は含まれない。
06年度問題59(福祉分野) 介護保険と生活保護の関係について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 生活保護を受給する介護保険の被保険者は、介護保険料の支払いが免除される。
2 生活保護の補足性の原則により、介護保険の保険給付よりも介護扶助が優先して給付される。
3 介護扶助による介護の給付は、介護保険法および生活保護法による指定を受けた事業者等に委託して行われる。
4 40歳以上の生活保護受給者で、介護保険の被保険者とならない者に対しては、原則として、介護扶助が10割の現物支給として実施される。
5 介護扶助の範囲は介護サービスに限定されており、介護予防サービスは含まない。
07年度問題6:1・2・5 / 07年度問題57:2・3 / 06年度問題59:3・4
【支給限度額】
1)区分支給限度基準額
・居宅サービスおよび地域密着型サービスの居宅系サービスについては要介護度・要支援度ごとに、1月単位の区分支給限度基準額が設けられ、その範囲内で複数のサービスを適切に組み合わせて利用できることとされている(単体サービスも可)。支給限度基準額は、厚生労働大臣が定める。
・在宅サービスの請求は区分支給限度基準額の範囲内であること、居宅介護支援事業者から国保連に提出された給付管理票に応じた請求内容であることが必要である。
・月を単位とするため、月途中での認定でも1ヶ月分の限度額が適用される。
・月途中で要介護度に変更があった場合は、重い方の要介護度・要支援度を基準額とする。
・居宅介護支援・介護予防支援・施設介護サービスについては、支給限度基準額が設定されていない。
・市町村は、区分支給限度基準額、福祉用具購入費支給限度基準額および住宅改修費支給限度基準額については、国の定めを上回るサービスを実施できる。その際の財源は、1号保険料となる。
・区分支給限度基準額の範囲内において、市町村は条例で、訪問通所サービスの個別のサービスの支給限度基準額を設けることができる。
・種類支給限度基準額を超えたサービス利用は、区分支給限度基準額の範囲内であっても、保険給付の対象とはならない。
・福祉用具購入費⇒基準額は1年間(4月~3月)に10万円まで。
・住宅改修⇒基準額は居住する住宅について20万円まで。要介護度が著しく重くなった場合(3段階以上上がった場合)は例外的に、改めて住宅改修費の支給を受けることができる。
11年度問題 9 他のサービスとの代替性に乏しいため、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されないサービスの種類として正しいものはどれか。2つ選べ。
1 通所介護
2 通所リハビリテーション
3 特定施設入居者生活介護
4 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
5 短期入所生活介護
06年度問題8 支給限度基準額について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 要介護1の居宅介護サービス費等区分支給限度基準額は、要支援2の介護予防サービス費等区分支給限度基準額と同額である。
2 介護予防福祉用具購入費支給限度基準額は、居宅介護福祉用具購入費支給限度基準額と同額である。
3 月の途中に要介護度が変わった居宅サービスの利用者の区分支給限度基準額は、変更前後の区分支給限度基準額の日数に応じて日割り計算される。
4 地域密着型介護予防サービスは、介護予防サービス費等区分支給限度額管理の対象に含まれない。
5 要支援認定を受けていた利用者が月の途中で要介護認定に変わった場合、その月の支給限度基準額は、要介護認定による要介護状態区分に応じた居宅介護サービス費等区分支給限度基準額となる。
11年度問題9:3・4 / 06年度問題8:2・5