高齢者向け住宅に勤務する職員の中には、介護支援専門員の試験を受験する方もいらっしゃると思います。
そこで、介護支援専門員試験が開始された時から受験対策講座に関わってきた私が、会員の皆さんのために受験対策講座を開講します。
試験のポイントなどをミニ解説しますので、日々の勉強に役立ててください。
会長 奥田龍人
【10年度の問題から】
問題1 平成7年の社会保障制度審議会「社会保障体制の再構築に関する勧告」において、介護保険制度の確立のために必要なこととされた内容として正しいものはどれか。2つ選べ。
1 ケアマネジメントのシステムを全国的に普及させること
2 施設整備は保険料に依拠し、制度運用の財源は公費に依存すること
3 契約施設である養護老人ホームを重点的に整備すること
4 保険者の財政を安定させるために、市町村の合併を促進すること
5 福祉用具の研究開発や普及の促進を図ること
【解説】介護保険以前の審議会等の知識が問われました。ただ、正しい選択肢がわかりやすいのでそれほど難問ではありませんが、受験対策本などでもあまり触れないところなので戸惑われた方も多いのではないでしょうか。
想像力が問われますね。2の選択肢は明らかにおかしいですよね。制度運用のお金を保険料に頼るために介護保険という社会保険を誕生させました。もっとも、制度運用の半分は公費、半分が保険料です。
3の選択肢はまず養護老人ホームが契約施設というのが間違い。措置施設ですね。また、養護老人ホームを重点的に整備するという施策はありませんでした。これは自分の町の養護老人ホームがどのくらいあるか考えてみればわかると思います。
4は、いかにも、という感じですが、この勧告では議論されていません。
このように迷う選択肢の場合は1,4,5でどれがもっとも妥当か、比べて見ましょう。すると1(ケアマネジメントシステムの導入)と5(福祉用具の普及)はまさに介護保険で進められたことです。ということで正答は1と5と導き出せます。